鎌倉女子大学中等部・高等部では、2019年度より、総合的な学習の時間や総合的な探求の時間を中心に、「持続可能な開発に参加できる人になるために」を目標としてESDプログラムを実施してきました。その活動の実績が認められ、2022年11月に、ユネスコ本部より正式にユネスコスクールに認定されました。
ASPnet (Associated Schools Network)は、このユネスコの理念を学校現場で実践するために1953年に発足した、国際的なネットワークです。加盟校同士が活発に交流し、生徒間・教師間で情報や体験を分かち合い 、地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発、発展が目指されています。15か国33校からスタートしたASPnetは、その後、世界最大規模の学校ネットワークとなるまで成長し、近年では世界182か国で11,500 校以上がASPnetに加盟して活動しています。
(日本では、ASPnetへの加盟が承認された学校を、「ユネスコスクール」と呼んでいます。)
(文部科学省HPより一部引用)
鎌倉女子大学中等部・高等部の「ESDプログラム」は、次のような4つのプログラムから構成されています。調べ学習だけでなく、体験的な学習も多く取り入れています。このプログラムにより、持続可能な開発に関する価値観、体系的な思考力、コミュニケーション能力を育成します。
プログラム | 中等部1年 | 中等部2年 | 中等部3年 | 高等部1年 | 高等部2年 |
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①SDGs学習プログラム | ワークショップ型授業 | ワークショップ型授業 | ワークショップ型授業 | ワークショップ型授業 | ワークショップ型授業 |
②人権学習プログラム | ワークショップ型授業 | ワークショップ型授業 | ワークショップ型授業 | ||
③国際学習プログラム | 地球ひろばアースプラザ校外学習 | ||||
④鎌倉学習プログラム | 由比ガ浜ビーチコーミング体験学習 | 鎌倉文化財体験学習 | 鎌倉まちづくり学習 | ||
⑤鎌倉プロジェクト | 鎌倉プロジェクトワークショップ | 鎌倉プロジェクトプレゼン |
JICA市ヶ谷の「地球ひろば」において、SDGsや国際協力について、体験学習や展示見学を行います。
県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)で、平和教育について、体験学習や展示見学を行います。
ビーチコーミングとは、海岸で手軽に実施できる海洋教育の一つです。海岸に打ち上げられた漂着物には、陸や海中から流されてきた自然由来のものと、人為起源のものが含まれます。自然由来のものは陸と海のつながりや、海の生物を知る良い素材です。人為起源のものは、海を守る意識づけとして使うことができます。さらに、日本の海が外国とつながっていることを認識できます。
事前に校内で、鎌倉国宝館の学芸員の方から出前授業という形で事前学習を行います。その後、鎌倉国宝館「文化財体験学習」を実施します。
鎌倉の課題についての 知り・調べ・解決策を考える活動を行います。代表生徒が鎌倉市主催の「かまくら子ども議会」に出席します。市長などに鎌倉市の課題と解決方法について質問します。
1学期は、まず導入としてSDGsワークショップとして「仮想2030年」を体感するカードゲームを行います。その後、SDGsの17の目標とその下にある169のターゲットを学習します。そして、夏休みに取り組むSDGsの目標の達成に関連する活動のテーマを考え、具体的な活動計画を立てます。そして、「SDGs達成のための取組宣言書」を作成し、クラスで発表します。夏休み中にSDGs達成のための活動を行い、2学期の初めに「SDGs達成のための取組報告書」を作成し、クラス発表と学年発表を行います。また、みどり祭では、夏休み中の活動をポスターにまとめ、展示発表をします。3学期からは、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」に関して、「鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」を周知啓発するためのアイディアを、鎌倉市観光課に提案する「鎌倉プロジェクト」に取り組み始めます。鎌倉市観光課の方から鎌倉市の課題を講演いただいた後、効果的に条例を伝えるアイディアを考え、ブレーンストーミングを用いてアイディアをまとめ、2年生での活動につなげます。
高等部1年で、SDGsや鎌倉の現状について学んだことをもとに、具体的な提案を目指して活動を行います。具体的には、①仮説を立てる②アイディアをまとめる③計画をたてるの順で進めていきます。2学期には、同じカテゴリーのアイディアを出した生徒同士でグループを作り、「企画提案」または「作品提案」のプレゼン資料を作成します。3学期になり、プレゼンテーションのリハーサルなどを行い、2022年度では、2月9日に鎌倉市観光課の方をお招きして、プレゼンテーションを実施しました。内容は、動画やポスター、カードなどの「作品提案」のほかに斬新な視点でのプレゼンを行いました。観光課の方からは、『これはいいな』と思えるアイディアも多くありましたという評価をいただき、今後、具体的に検討するとお約束をいただきました。